近年のオーダースーツ制作を担う会社が増えているような印象を受けます。
それに応じて、価格競争が激しさを増しており、昔に比べたら異常に安い価格帯のオーダースーツを目にするようになりました。利用者にとってはうれしい限りかもしれません。
先日「オーダースーツSADA」のオーダースーツ19,800円~という価格設定にもかなり驚かされましたが、今回紹介する企業では、なんと17,000円~の価格設定です。
消費税を含めても2万円を切るオーダースーツの値段ってやばくないですか…
既製品でもそれくらい当たり前に値段しますよね。
今回は、圧倒的低価格を誇るダンカンのスーツについて、コスパ的な面から評価していきたいと思います。
「ダンカンのオーダースーツってどうなの?」
と迷っている人にぜひ読んでいただきたいと思います。
ダンカンの会社概要
ダンカンは、1978年に福岡県博多で創業したスーツ店です。
最初は法人専用向け販売で徐々に販売を広げていき、1987年に1号店を開店しています。
私は福岡出身なので、「めっちゃ地元の企業やん!」と非常に親近感を覚えましたが、しかし、
~平成24年に本社は大阪に移転~
という記事を見てガクッとしました…
とはいえ、現在は全国で40店舗を展開している大手のスーツ店に成長しており、同じ福岡出身として応援していきたい会社でもあります。
ダンカンのオーダースーツについて
価格が激安(17,000円~)
ダンカンのスーツの特徴として、オーダースーツにも関わらず、価格が激安です。
一番安い生地を選択した場合、17,000円(税抜き)からオーダーができてしまいます。
しかもセール時には、会員限定で15パーセントオフになる場合もあり、その割引額を適用すれば、なんと14,450円からオーダーできてしまいます。
おそるべしダンカン…
ちなみに価格的に競合する「オーダースーツSADA」は19,800円~なので価格的には約3,000円ダンカンの方が安いことになります。
ただし、SADAはフルオーダーに対して、ダンカンはイージーオーダーになるので、その点は注意しなければなりません。
イージーオーダー
ダンカンのオーダースーツはイージーオーダーのタイプになります。
スーツを制作する際は主に
- パターンオーダー (コスト:低)
- イージーオーダー ↓
- フルオーダー (コスト:高)
の3つの縫製方法がありますが、ダンカンが採用しているのは2のイージーオーダーになります。
イージーオーダーといっても、会社によっては定義が若干異なる場合があるので、ダンカンのホームページから引用させてもらいます。
イージーオーダーとは、好きな生地を選んだ後、縫製工場が持っている既存の型紙の中から自分の体型に合った型紙を選び、それに合わせて調整寸法やデザイン補正をしていくオーダースーツを指します。スーツのベースとなる型紙は既存品であり、ほとんどマシンメイドで作られるため、フルオーダーよりも安くオリジナルのオーダースーツを作ることができるのです。
ダンカンHP
このように公式でも記述があるように、イージーオーダーは既存の型紙を用いることによりフルオーダーより安価であることから、フルオーダーでスーツを縫製する「オーダースーツSADA」より若干安いということになります。
ちなみに、パターンオーダーは、既製品のサイズから袖丈や着丈を若干変更できる程度の場合が多っく、横幅の寸法調整や体型の補正などはできない場合があるので、あくまでも既製品の延長と考えた方が良いでしょう。
個人的には、コスパ的にイージーオーダーで十分という気がしないではないですが、最上のフィット感を重要視する方ならフルオーダーは譲れないところかもしれません。
アフターサービスが充実
ダンカンではアフターサービスが充実している点も見逃せません。主に2つのサービスが付帯しています。
3か月以内の調整期間
商品を受けとって3か月以内は全体的な微調整が無料で行えるというサービスです。
ただし、初回限定。1回限り。縫製上可能な範囲で。という限定付きですが。
オーダースーツは既製品と違い試着できないので、不安な方はこのアフターサービスがあると安心ですね。
1年保証
1年間はウエスト、股下の長さの調整のみ無料というサービスです。
ただし、その他のサイズ調整は有料になってしまいます。
うーん、この保証は使いがってが悪そう…
たった一年でウエストや股下が大きく伸びたり縮んだりしないような気がしますがどうでしょうか。
もちろん保証が無いよりも保証があった方が良いのですが、どうせならほかの個所のサイズ調整も無料でやってくれるともっとありがたいですよね。
ダンカンのサイトでオーダーシミュレート
ダンカンは、「オーダースーツSADA」と同じくネット上でのオーダースーツの注文が可能です。
オーダースーツのシミュレートもできるので、私が実際にシミュレートしてみました。
やっぱり生地は値段なり
最安生地である17,000円の生地は、まあ予想通りウール50%/ポリエステル50%のものでした。
当然ですよね。この値段でウール100%だったら価格破壊もいいところです。
私がスーツの生地でおすすめしている「ウール100%の生地」が選択できるのは、28,000円以上の価格からでした。
ただし、色柄の選択肢は少ないです。
選択肢が多数あるのは39,000円以上の生地になります。
SADAもそうですが、やっぱりオーダースーツは安い値段で作るとそれなりの生地でしか作ることはできないですね。
「値段も安くかつ生地も良く」という真のコスパが高いスーツは実店舗を持つ会社ではなかなか無いようです。
生地のグレードで選べるオプションが変わる
オーダースーツは自分好みにカスタムできるのが醍醐味ではありますが、ダンカンでのスーツオプション価格について確認していきます。
なお、ここで紹介するのはシミュレート画面に基づいた情報ですので、実際の店舗で注文する場合は異なる可能性があるのでご注意ください。
- 裏地キュプラ 3,000円~
- ボタン(貝、水牛)2,000円~
- 本切羽 2,000円
- お台場仕立て 選択項目なし
オーダースーツとして選択したいオプションを挙げてみましたが、それぞれそれなりの価格がしますね。
お台場仕立ての選択がなかったのが衝撃的です。
もちろん店舗だと選べるのかもしれませんので、判明次第追記しようと思います。
なお、最安17,000円の生地の場合、裏地やボタンの有料の選択肢はありませんでした。
よって、最安生地ではキュプラや貝ボタンなどは選べません。
さすがに39,000円の生地では選択肢はたくさんありましたが、選択する生地のグレードによっても選べるオプションが異なるようです。
ですので、17,000円でオーダーしても無難なスーツしかできないので、フィット感重視かつ無難なスーツが欲しい方にとってはコスパが良いのではないでしょうか。
ダンカンのスーツの注意点(縫製工場に着目)
ダンカンのサイトによると、スーツが縫製される工場は、
- 国内(長崎県)
- 海外(中国?)
の2か所でスーツが制作されていることが確認できます。
注意すべきなのは、ダンカンでは国内縫製を売りにしており、グレードの高い生地では国内製造を明記していることです。
国内製造の場所については、長崎県平戸市紐差町に所在する自社工場で、「アリエス」という名称がついており、2014年からダンカングループの工場として稼働してます。
その国内工場では、職人による手作業が多く、一日に120着前後しか生産していないので、スーツの仕立てのクオリティの高さがうかがい知れます。
一方海外工場については、ほとんど情報が出ていません。
かろうじて中国合弁企業の工場で縫製しているという記載がダンカンのサイトに記載されているのみであり、国内工場に比べて明らかにPRが控えめです。
考察するに、海外縫製のスーツは、ある程度の基準は達成していると思いますが、国内縫製に比べ品質が若干劣る可能性があるので、気になる方は国内縫製の生地を選択した方が間違いがないでしょう。(そうすると値段がめちゃくちゃ高くなります…)
ダンカンのサイトによると、39,000円~の生地だと国内の縫製工場での仕立てとなります。よってそれより下のグレードの生地だと海外縫製の可能性が高いのではないでしょうか。
ダンカンのスーツ:コスパ的な評価
とにかく安くてフィット感があるスーツが欲しい人向け
最安生地では、値段はライバルの「オーダースーツSADA」より安く、オーダータイプもイージーオーダーなので十分フィット感が得られる方式で全く問題がありません。
よって、生地を気にしないという方にとっては、「2万円以下のオーダースーツ」という圧倒的コストパフォーマンスに優れたスーツができるのでおすすめできると思います。
新社会人や、ごくたまにスーツを着る人にとってはとても手ごろなスーツです。
↓にダンカンのホームページのリンクを掲載しておきます。ネットだけでもスーツの購入は可能なのでご覧ください。
オーダースーツ専門店 ダンカン | 低価格で高品質のおしゃれな1着を (dankan.co.jp)
こだわる人に対してはコスパは△
一方、私のように、「せっかくのオーダースーツを作るのであれば、サイズがフィットするのは当たり前でなおかつ素材にも少しはオリジナリティを出したい!」という方もいると思います。
私の場合は、少なくとも「ウール100%、スーパー100以上、裏地キュプラ、本切羽、お台場仕立て」とか条件を付けていきたいので、そうすると結局、4万円以上します。
そのような方にとっては、3万円程度でオーダーでき、無料で選択できるオプションの幅が広い無店舗型の「Suit ya」の方がコスパが高いでしょう。
ただし、実際の店舗で、店員とのやり取りを通してスーツの細部のサイズを詰めていく醍醐味もあるので、そこは悩ましいところですね。
「Suit ya」については↓にリンクと過去自分が購入した際の記事を掲載しているので、興味がある方は見てください。